飯島愛さん死去 すべてを売った“全身芸能人”の生き様
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081230-00000000-tsuka-ent
元タレントの飯島愛さんが24日午後3時頃、渋谷区にある自宅で死亡しているのが所属事務所の関係者によって発見された。死因は不明、警視庁は自殺の可能性もあるとして調べを進めている。
飯島さんは昨年3月に芸能界を引退しているが、ブログは最後の書き込みがあった12月5日まで継続しており、12月6日には宇都宮市で行われたエイズ啓発活動のイベントに出演するなど現役感は強く、それだけに急逝の報は衝撃を持って受け止められた。
1972年生まれ(当初は73年生まれとされていたが、後に撤回)の飯島さんは水商売などの経験を経て、92年にAVデビュー。またたくまに売れっ子となり、スターAV女優として名前と顔が知られていく。同時に民放のバラエティ番組にもゲストとして出演するようになり、その知名度はお茶の間レベルでもどんどん上がっていった。
すでに飯島さんより先にAV女優の黒木香、桜樹ルイらがバラエティ番組に出演していたが、彼女らはAV女優としての立場でしか呼ばれていなかったり、その存在の特異性(黒木香の丁寧すぎる言葉づかいなど)を面白がられていたにすぎなかったのに対し、飯島さんは深夜番組でふりまくお色気と、ゴールデンタイムの番組での振る舞いをクレバーに使い分け、AV引退後もタレントとしてめきめきと頭角を表していく。愛らしいルックスはもとより、頭の回転の速さによって飛び出す奔放な発言により、飯島さんは男性のみならず女性の人気を得ることができた、初めてのAV出身タレントだと言えるだろう。
90年代後半にかけて、数多くのクイズ番組やトーク番組に出演し、テレビの世界で確固たる地位を築いていた飯島さんだが、それらの番組ではほとんど自らの過去やAV出演歴について触れることはなかった。老若男女を対象にした地上波のバラエティ番組で、わざわざ自分から同姓の嫌悪を招くような発言をする必要もない。そのことについては番組内でも、また視聴者にとっても当然のこととされ、飯島さんの人気が上昇するとともにAV出演などの過去は暗黙のうちにタブー化されていた。出演AVの権利やヌードカットも所属事務所が厳密に管理し、違法に流通するもの以外はほとんど彼女が出演していたAVが世に出ることはなくなっていた(後に、飯島さんが出演していたAVを再販売しようとしたメーカーがあったが、飯島さん側からの警告を受けている)。
このまま、過去を葬ってタレント活動を続けていくのだろう。誰もがそう思っていた2000年、そのタブーを飯島さん自らが解き放ってみせる。半自伝的小説『プラトニック・セックス』が出版されたのだ。
本の中では、生い立ちから水商売歴、AV出演、さらには性病への感染、顔や胸などの整形などについても赤裸々に明かされている。ここまで自分のタブーを白日のもとに晒したタレントは皆無だったと言っていい。過去、タレントによる自伝本や暴露本があったとしても、せいぜいプライベートでの性関係などを語っていたにすぎない。公然の秘密となっていたAV出演はおろか、性病や整形に関してまでカミングアウトした『プラトニック・セックス』は大きな話題を呼び、全世界で200万部を売り上げる大ヒットとなる。
この時代になると、テレビのワイドショーもあまり力を持たなくなり、スキャンダルがあるからといって、タレントの所属事務所の意向を無視して根掘り葉掘り追及することはできなくなっていた。“スキャンダル女王”と呼ばれた歌手の松田聖子も、2000年代に入ってからはワイドショーや女性週刊誌を賑わすようなことは少なくなっていた。飯島さん自身もワタナベエンターテイメントという大きな事務所に所属しており、いわば事務所から守られている状態だった。しかし、そんな状況を逆手にとった自らの手によるタブー解禁は大きなセンセーションを巻き起こしたのである。
そんな中、飯島さんは依然として好感度をキープしつつもタレント活動を並行して行っていく。自らのスキャンダルを巧みにコントロールしながら活躍する、新しいタイプのタレントになっていったのである。
その後の飯島さんは、個人事務所がトラブルに巻き込まれたときも自らブログでコメントしたり、バラエティで整形のことについて発言したりと、あけっぴろげで奔放なコメントをしながらも、自らの豊富な経験をいかして、世の中の出来事に的確な発言をする辛口コメンテーターとして活躍を続けていった。しかし、07年3月に突如芸能界引退を宣言。引退までのカウントダウンもバラエティ番組の企画として放映された。自分にまつわるものすべてを売り物に変えて、活躍し続けた全身芸能人、それが飯島愛さんだったのだ。
(記者:ポポちゃん)
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